ギアーズで手一杯だと書いたばっかりなのに、ついつい衝動買いしちゃうんだよなあ…。
2007年度、数々の米国ゲーム賞をかっさらったバイオショック。英文を読むことは問題なくてもディクテーションには自信がないので、あと、多くの海外産話題作をローカライズしてくれるスパイクへの感謝の意味を込めて今回は日本語版を買ってみた。 はじめに断っておくと、この得体の知れないゲームは、実際のところよく出来た一人用FPSなので、何か体験もしたことのないような新しいゲーム体験を期待して遊ぶと、ひたすら続く撃ち合いにうんざりするかもしれない。日本でFF/DQがどんなにもてはやされていても、結局は既存のラインの延長線上のシステムで、RPGそのものが嫌いな人を転向させるゲームではないのと同様、このバイオショックももとからFPSというジャンルがあまり好きではない人が感動するようなゲームではない。 とはいうものの、伝統をリファインした一つのゲームとして見た場合、バイオショックは美味い。実に美味い。1960年代の仮想の海底都市を舞台に、絶妙にデザインされたマップでスプライサーという名の狂人たちと殺しあうのが純粋に気持ちいい。最初こそやれることが少なく、ただ撃ちあう殴りあうゲームか?という感想を持ったものの、ストーリーが進むにつれて武器・超能力が増えていき、行動の幅がぐっと広がってくる。面倒だったら全部銃で倒してもいいし、ちょっと頭を使うとより楽に倒せる方法がいたるところに用意されているのが探究心をそそる。敵のAIもなかなかに賢く、上層から下層の敵を狙撃していたら、入り組んだ回廊を登って目の前まで追いかけてきたのには驚いた。敵の可動エリアはかなり広く設定されている様子で、扉などを平気で開けて移動したり、体力が少なくなると手近の回復ポイントまで駆け戻ったりもする。通路の向こう側に強敵を見つけたので、一度引き返して、準備万端整えていざ帰ってきたらそこにいない。というのは結構平常心を揺さぶられる。 戦闘バランスもなかなか。体力を回復するファーストエイドが沢山あるからといって大胆に行動していたら多数の敵に襲撃されていっきに大半を失ったり、逆にぎりぎりの体力で紙一重の状況を生き延びることもしばしば。自分の腕では、初回プレイのノーマル難度が常に生かさず殺さずの緊張感を保ってくれている。特に、このゲームのパッケージにも描かれている顔役ビッグダディは手ごわいので、自分の有利な場所まで誘き寄せないと苦戦すること必至。実際のところ、死んでもペナルティなしに復活できる装置がそこかしこにあり、その際敵の体力は(回復ポイントを使われない限り)回復しないので、どうしても勝てないなら特攻プレイもできるのだが。 また怖いゲームかというと、一番最初、無防備な状態でガラス越しにおぞましいスプライサーに目をつけられる状況がきわめて怖いポイントだったものの、全体を見るとそれほど恐怖感をそそるゲームというわけでもない。登場するのは妙に自己主張が強いスプライサーばかりで、暗闇から突然背後を襲われる状況は数少ない。逆に、スプライサーの張り上げる声を聞いて自分から狩りにいくことが大半。むしろ強烈なのはゴア表現。とかく血にびちゃびちゃ塗れた場所が多発するので、そういうのが全く駄目な人は残念ながら避けたほうが懸命。ギアーズやデッドライジングよりよっぽど直接的な気がするのだが、いったいどうしてこのゲームがCERO D基準で済んだんだろう。 MYSTやReturn to Mysterious Islandといった3Dアドベンチャーのような、丁寧に作られた鈍色の幻想世界を満喫できる上質ゲーム。あるいは、ギアーズのオフプレイを、その密度のままさらに選択できる行動を多くして、3倍(推測。まだクリアしていないので全体は見えていない)ボリュームを積み上げたようなゲーム。確かに人を選ぶものの、この完成度を持ってしてまで日本の初週売り上げ10000本というのが不憫でならない。 スポンサーサイト
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