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はじめて学ぶイギリス文学史 | 和書:Japanese books
はじめて学ぶイギリス文学史 はじめて学ぶイギリス文学史
神山 妙子 (1989/04)
ミネルヴァ書房
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前々から思ってたけど、英文学作家と米文学作家の見分けがつかないんだ。実物の本を読めばぼんやりとは分かるんだけど、タイトルと作者名だけだとよくわからない。

稀に中国と日本の作品を間違えてくれる欧米メディアにつっこみたくなる自分がいるのだが、作家名見りゃわかるだろ!(笑) と自分が思うのと同じことを多分彼らも思ってるんだろうなあ、というブーメラン地雷が眼前に戦術展開して、うかつに足を踏み込めないこの不甲斐無さよ。これは間違いなく英文学だろ、と自信を持って読んでた本が実は翻訳されたイタリア作品、なんてこともありやがるしなぁ。

という訳で、少しは欧米文学の流れを勉強しましょう自分、とりあえずはイギリス文学から、と読み始めたこの書籍。たまにはこういう、作品のバックグラウンドを学ぶ為の本もよき哉よき哉。

古くは口承伝記の「ベオウルフ/beowulf」から、20世紀の「ダロウェイ夫人/Mrs Dalloway」、「ゴドーを待ちながら/Waiting for Godot」あたりまで、詩・小説・戯曲に渡ってざっくり舐めた文学史解説。

「ロビンソン・クルーソー/Robinson Crusoe」と「ガリバー旅行記/Gulliver's Travels」は、「種の起源/The Origin of Species」の100年以上前に書かれていたのかー、で、福音派の隆盛はそのダーウィンが活躍した頃とほぼ同時期だったのかー、とか、いままで知らなかったことは一杯ありますな。というか「種の起源」って、たった150年前に書かれたんかい。なんとなしにもっと昔のことかと思いこんでたよ。

近代に行くと、「マイフェアレディ」の元になった「ピグマリオン/Pygmalion」や「鐘/The Bell」は面白そうだし、ディヴィッド・ハーバート・ロレンスの「虹/The Rainbow」が非常に平易で読みやすいのに驚いたり、ということは「チャタレー婦人の愛人」が何か読み辛かったのはわざとやってたのか。オスカーワイルドの変態文章はいつ読んでも素晴らしい。

惜しむらくは、読んでて自分はやっぱり児童文学とかエンタメ文学寄りの人間だなあ、と思ったこと。講義向けの本なので仕方ないけど、C.S.ルイスとかトールキンとかSci-Fi作家陣はほとんど押さえられてないのが残念。そっち系に焦点を絞った文学史も一冊読んでみたいかな、そのうち。


ちなみに、ベオウルフってこれ本当に英語なの? さっぱり読めないよ? (古英語、ゲーム等でよく見るルーン文字系の言語と言うと分かりやすいかも、で記述されてて、文法も単語も現代英語とかなり違うっぽい) と向こうの方に聞いたら「万葉集で書かれてる言葉が日本語と呼べるなら、ベオウルフも英語だろうよ」と軽く切り返されました。いや、なるほど、ごもっともです。
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【2007/09/01 22:21】 | トラックバック(0) | コメント(0) top↑






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