
買ってから半年ほど積んでいたような気がするキノの旅。感想をひとことで言うと、星新一のショートショートみたいな話。
率直に言うと、このレベルの話を読むなら、最初から英語で出版された小説を読んだほうがウィットも効いていてよっぽど面白い、と思ってしまうのは何か。この本に限らず、今までよんだ英訳ライトノベルはどうもいまいち不完全燃焼な気が。
やもすると、ライトノベルの魅力のひとつ、口語のかけあいは英語で読むのには向かないのかもしれない。そうとう上手くやらないと気の抜けたぬるい炭酸飲料みたいになってしまいそうだ。翻訳の質が悪いとかそういうのではなくて、ストーリーは別の言語でも伝えられるけれど、言い回しの妙は、置き換える段階でどうしても変質してしまって、最初からその言語で書かれたものには敵わない。みたいな。
その一方で、シックな装丁はかなりセンスいい。極端な話、棚に飾るためにこれを買ったと考えても惜しくはないか。中身が気抜けたラムネなら、ビンを飾って楽しむもこれまた一興。本末転倒ここにあり。
まあ、ライトノベル一般論として片付けるには、まだまだ読んだ本数が少なすぎる気もする。とりあえず、「
赤眼:素で間違えていた。灼眼のシャナ」と「かのこん」と「しにがみのバラッド」と、あと何か予約してた気がするので、それを読んでからまた考えよう。
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