
最初にひとこと言わせてくれ。アガサクリスティーの本が英語初心者に優しいなんて言ってるの、誰だ?
いやこれ、ちっとも優しくないと思うんですが。難しいっていうか、理不尽に難しくはないんだけど、文法と単語がちょっと古文入ってるんで、現代文に慣れてる人間は最初面食らう。これだったら、(当たり前かもしれないけれど)児童文学の方が10倍簡単。デルトラ読もうぜデルトラ。ダレンシャンでもいいけどよ。
何より、日本語の「エルキュール・ポワロ」という表記に慣れすぎてしまっているため、Hercule Poirotの文字を見ても、ヘルクール・ポイロット? あんた誰?? 状態。Hは発音しないのねー。
ポワロミステリの中で、このオリエント急行だけ、何故か読んでなかったんですよ。いやいや、ミステリ好きなら誰もが一度は聞いたことがある古典トリックがこれでしたか。ぶっちゃけそのネタはかなり反則くさいイロモノ技だと思っていたんですが(東野圭吾が類似ネタで良作を書いていた気も)、実際読むと凄い凄い。最後の最後までミスリードに迷わされた。これは筆力の勝利だわ。12人の乗客にひとりひとりアリバイを聞いていく過程なんか、もうまどろっこしすぎて最近のミステリではお目にかかれないような気が。それを中だるみさせずにグイグイひっぱっていく手腕は、さすが傑作とうたわれるだけはありました。Eh bien.
でもフランス語はさっぱり読めなかった。Mon cher, Monseiur!
ああ、それから。ハーマイオニーという登場人物が出てきた瞬間から、ウェーブヘアーの少女像しか思い浮かべることができなくなった自分は、なんだかなあ、と思いました。
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