![]() 先日勢いで買ったロミオとジュリエット。表紙に負けず劣らず、内容も凄かった。 原作の骨組みを完全に維持しつつ、なおかつ先の読めないストーリー展開を見せるこの本の魅力を、ダイジェストでご紹介。毎度のごとく写真が微妙だが、内容が少しでも伝わればこれ幸い。 ここは現代日本、渋谷と呼ばれる街は、2大巨頭ヤクザの支配下にあった。一つは温情知らずのモンタギュー組、一つは悪逆非道のキャピュレット組。いずれ劣らぬ極道一家である。 両組の恩讐は末端組員まで及び、通りでは、先走った若手衆による小競り合いが頻発していた。 ![]() そんな騒動に割ってはいる、白馬ならぬ白パトに乗ってやってくるヒゲ男。彼こそが、エスカラス王子その人である。「おう貴様ら、天下の往来で大騒ぎしやがって。あんまり治安を乱すようなら、署までしょっぴくぞ!」 ていうか、治安がどうのこうの言う前に、そいつら全員銃刀法違反。現行犯逮捕しようよ王子。街中を真剣を持った組員が普通に歩いてる図は何かおかしいと思うんだ。 そんな騒ぎからは所変わる。泣く子も黙る極道モンタギュー組には、その血にそぐわぬ心優しき一人の息子がいた。その名もロミオ。新進気鋭のアイドルスターである。 敵方キャピュレットの館に潜り込んで悶着を起こした末、ロミオはキャピュレットの娘ジュリエットと出会い、禁じられた愛を誓うことになる。「ああ、どうして貴方はロミオなの?」 恋する2人の落ち合い場所はキャピュレット邸の裏手にある果樹園。ああ、ロミオ、どうして渋谷のど真ん中にそんな場所が存在するの? ![]() そして、そもそもこの時空は本当に現代なのだろうか。 しかし、読者の混乱はよそに、運命の歯車は非情に回り続ける。ロミオは、親友マキューシオとキャピュレット組の若い鉄砲玉・ティバルトの諍いに巻き込まれてしまう。 ![]() ギターに隠した仕込み暗器でティバルトを急襲するマキューシオであったが、逆に、ティバルトのギミックシューズに仕込まれた飛び出しナイフによってその命を散らす。君らはどこの大道芸人だ。 マキューシオの死に憤ったロミオは、思わず身近にあった日本刀でティバルトを刺し殺し、逃亡する。日中堂々と行われたこの凶事は、すぐさま渋谷中に知れ渡ることとなる。 ヒゲ王子の判断により、殺人犯ロミオの処分は身分追放と決まった。司法制度も裁判も完全無視。ヒゲの辞書に日本国憲法という言葉はないのだ。 追放先は京都。つまりは県外追放である。世の中にはそんな罰があったのか。まるで観光旅行のパンフのような「Visit Kyoto」という冊子を受け取って複雑な表情をするロミオ。そんな処分でいいのかこのヒゲ。 ![]() おいでませ京都。 一方、ロミオとの別れを嘆くジュリエットと、それを哀れむ宮司は策を弄する。虚偽の葬式を挙げて、彼女を世間に死んだものと思わせるというものだ。薬の力を借りて仮死状態となるジュリエット。宮司はロミオにだけ、それが狂言であると伝えようとする。 ![]() ま、まずいんじゃよー。ロミオの携帯が圏外でメールがとどかないんじゃよー。 手違いにより、愛するジュリエットが死んでしまったと思い込んだロミオは、場末のマッドサイエンティストから購入した劇薬を呷り、自害する。それを知ったジュリエットもまた、死後の世界でひとつになれる事を願いながら、彼の後を追うのだった。 ![]() ヒゲ王子最後まで役立たず。 意外なまでに原作に忠実なストーリー運び。にもかかわらず、いやむしろ原作の筋書きをそのままに舞台だけを現代日本に置き換えてしまったからこそ、この全体から溢れ出る素晴らしいB級感と甘美なる不協和音。写真では小さくてよく見えないが、表紙背景の「メトッロ」「まンが」という手書き文字の看板を読んだ瞬間に感じた高揚感は裏切られることはなかった。 中世ヴェローナから渋谷に舞台を移すにあたり、教育を受けていないので文字を読めない小間使いが、メガネを割ってしまったので文字が読めないドジッ娘になっていたりと、どうでもいいところで芸の細かいアレンジが入っていたりするのだが、そもそも「何故そこまで苦労して舞台を渋谷にしたのか?」という最大の疑問は最後まで読んでも謎のままである。 |
同人ノベルゲーム、冬は幻の鏡やってました。
![]() 昨年「男土下座地獄」でお世話になった、半端マニアソフトさんの処女作ノベルゲーム。 北海道の放送部を舞台に、3本の独立したシナリオと、それらを包括した真相シナリオが1本登場する構成。 最初に難点を言ってしまうと、一番最初に攻略するべき小太郎君ルートがめっさ面白すぎて、後の内容が霞んだ。あまりに神がかった出来に否応なく期待のスレッショルドレベルが上がってしまい、他のシナリオも相当のレベルを期待するも、もうひとつ不完全燃焼のまま最後までいってしまったという感じ。 とはいえ白眉の小太郎君ルート、もうほんと、熱くて、先が読めなくて、下品で、生々しくて、素晴らしい。気恥ずかしい青臭さに思わず悶えて転げまわりそうになった。その中でも一番面白おかしい場面が風俗シーンだというのはどうなんだという気もするが(笑) 風俗嬢音さんに死ぬほど弄られる小太郎君が素敵すぎる(笑) いやー。こういう新鮮なのが読みたいからノベルゲームプレイするんだよね。ノベルはnovelだからノベルなんですよ、と。古い時代のエロゲが持っていたひとつの型にはまらないワクワク感を、一時ながら久しぶりに味あわせてくれる良質ゲームでした。 |
英語版FFXII、だんだんスルメゲームになってきました。勝手に相手を倒して勝手に回復してくれるAIのおかげで、頭を空っぽにして方向キーだけしか使わなくなってくるのは危険。実に危険。だらだらとプレイしていると止め時が見つからなくなってくる。楽しいというよりもむしろ脳内麻薬中毒症状。エンドレスで落ち物ゲームをやっているような非生産的な恍惚感に包まれてくる。
これはこれで、のめり込んでる状態って言えるんだろうな。なんかゲームに手玉に取られてるみたいで悔しいが、変な魅力は確かにあるのが困りもの。くそう参ったね。やみつきですよ。 現在レベル22。最後のパーティーメンバーのお姫様が入ってきて、彼女こそが物語をドライブする貴重なキャラクターだということが判明。なんだか知らんが王家の秘宝を手に入れるべく突っ走る姫君を、お供がなだめたりすかしたりしながら追従するの図。毎回思うんだけど、どうして王族は本人自ら危険の中に飛び込んでいこうとするんだろうね? それがお約束だから? そして一方の主人公、すごく、目立たない。 チキチキFFXIIキャラ立ちレース、現在の順位: <↑存在感大> Ashe がんばるお姫様。華のヒロインにしてわりと傲慢自己中心。 Basch 姫様に反目されつつも実直に任務をこなすダンディ親父。影の主役。 Balthier 自分から行動は起こさないが見せ場はちゃっかり掠め取っていく二枚目役。 Vaan 元主人公。アニメだったら終盤で死亡フラグが立って安いお涙を誘いそうな端役筆頭候補。 Penelo イチャイチャ要員。Vaanの幼馴染という一点だけが存在の拠り所。 Fran いつの間にかパーティーから消えていてもきっと誰にも気付かれない。 <↓空気> 上3人主役陣と、下3人脇役陣の間には歴然とした隔たりが。PeneloとFranの熾烈な脇役最下位争いも熱いが、Vaanも秘めたステルス素質を開花させていっきに独走する可能性もあり、今後の展開が見逃せないところだ。 |
via mangamaniaccafe.com
イタリアはヴェローナ、ロミオとジュリエットの歌劇が漫画になりました。 ![]() ……コレハイッタイナンデスカ?? あまりの素っ頓狂さに思わずAmazonに走ってしまった(笑) |
英語圏の美少女ゲームコミュニティVisualNewsの掲示板に、今度英訳版が発売される予定のエロゲ、ユメミルクスリ/Yume Miru Kusuriの翻訳者さんが顔を出して、ゲームの内容について何か聞きたいことある? と聞いていたので、わりと厚かましい質問をしてしまいました。
http://forums.visualnews.net/showthread.php?t=7214
ということで、少なくとも今回は、大きな修正は入らない様子。個々のキャラクターの年齢を明示する代わりに、内容には手を加えない方向に向かっているみたいですね。 その国の論理にそぐわない部分を必要にかられて修正するのは仕方ないとは思うけど、よくわからない謎基準で改変されるのは気持ち悪いんでちょっと安心。最初から無茶苦茶やるって分かっていれば、デストロイオールヒューマンズみたいな原型を留めない超訳もそれはそれで楽しい。実は変更自体にはそんなに拘りはなくて、できる範囲でベターな仕事をやってくれれば多少表現が違ってても応援したくなるし、どうせ見つからないだろうっていう客をなめた態度が透けて見えてくると腹が立つっていう、そちらの理由の方が大きかったりする。 それから、彼は現在、もうひとつ別の田中ロミオ関連のタイトルにも携わっているというのも見逃せない証言。 関連記事:表現と検閲と逃避行動 http://dekadenbiyori.blog40.fc2.com/blog-entry-54.html |
邦題:シャーロットのおくりもの。
![]() ![]() 2006年に映画化された小説だけど、見事にビジュアルはまってるね。 ここのところ少し手応えのある小説を読んでいたので、息抜きにちょっと楽なやつを一冊選んでみました。いつものごとく内容を調べずに、可愛らしい少女の顔で表紙買い。わーい。可愛い子大好きー。ロリコンじゃないよう。眺めるのが好きなだけだよう。(←イエローカード発言) だがしかし。購入した時は、この一見主要人物っぽい少女が物凄い勢いでフェードアウトしていくとは予想だにしなかった。 お嬢ちゃんの子ブタちゃんに対する愛情? 一人だけ動物の話が理解できる能力? 伏線を張っておいてなんですが、中盤以降、本筋に彼女の居場所はありません。見事なまでに。 このお話の真の主役は、グロい蜘蛛と自己中心の汚いブタのモストデンジャラスコンビ。またか。また表紙に騙されたのか俺。 いやほんと、前半かなりキワモノ小説。蜘蛛のCharlotteさんのお食事シーンなんか、蜘蛛の巣に引っかかった昆虫を糸で縛って絡め取って、ムシャリムシャリ。そんなのイラスト付きで克明に描写されても自分はどうすればいいんだ。子ブタちゃんは子ブタちゃんで残飯ミックスシロップ大好きっ子だし。胸がムカムカするシーンが続出するので、お食事前後の読書は当方お勧め致しかねます。 一方で、小さな蜘蛛が、いかに屠殺される運命の子ブタの命を救うかというアイデアは、なかなか奇抜で面白いし、なんだかんだでラストはちょっとほろっとくるのが小憎い。 あと、絵本みたいなイラストが数多く挿入されてるので、電車内で読むとちょっと恥ずかしかったぞっ。開き直って堂々と読んだけどっ。 |
![]() via insertcredit.com http://www.insertcredit.com/archives/001633.html http://www.insertcredit.com/archives/001632.html タイのゲームデベロッパStudio Nocturneが米国ニンテンドーDS向けに製作している Housewife Superstar が気になる気になる。ポスターの雰囲気がかなり魅力的だ。 タイトルが表すとおりカリスマ主婦になって、フラワーアレンジメントとか、針仕事とか、お化粧とかをこなすゲームだとか。押忍!闘え!応援団に影響されている部分があるとのことなので、自分好みのコメディゲームになる可能性があるかも。ステータスはまだコンセプトレベル(下段のゲーム画面はハメコミ合成?)。なので実物がでてくるのにはもうすこし時間がかかりそう。いやしかし、PSPは持ってないから抑制がかかるけど、DSでこの手のを出されると思わず買ってしまいそうで怖いな。 他に、セレブのメイクアップアーティストになるゲーム Makeup Diva なども紹介されてました。後ろにいる役者キャラはブルターニュスピアーズという名前らしい。顔怖いけど。 ![]() |
ソロプレイで最大HP150なのに"はりせんぼん"撃ってきやがった花サボテンLOVE。6回死ねる(笑)
Peneloと別れて、今度は優男Balthierと耳人Fran、ついでに反逆者の汚名を被ったBaschと同行。 この辺りで、ストーリーに関するもやもやとした違和感の正体がわかってきた。この話、筋書きを主導する人間がいないんだ。主人公は単なる反体制少年で、その場その場で刹那的な行動に走るだけ。周りのキャラも何の為に動いているのか見えてこない。Franに至っては、FFIXの竜騎士を彷彿とさせる空気っぷりで存在感皆無。プレイヤーが何のために(あるいは誰の為に)ストーリーを進めるのか、という目標が全然見えてこないのに、指示された通りとにかく動かないと話が進まない。 過去のFFも多かれ少なかれその気があったけど、特に今作で、とにかく先に進みたいという気にならないのは、成長システムに達成感がないせいか。アイテムを入手するずっと前に使用ライセンスを取れてしまうので、結局従来のアイテム入手時に使えるようになるシステムと変わりがない。レベル10で、最下級ライセンスの剣しか持っていない時点で、かなり終盤クラスのライセンスが取れてしまうし、それも結局該当アイテムを入手するまで意味がない。あと幾つ稼げばこのアイテムが使えるようになる、という方向のモチベーションに繋がらないのがかなり難点。ライセンスボードをちまちま埋めていくのは中々楽しいのだけれども。 で、戦闘面では、先日はSW:KotORっぽいと言う感想を書いたのをちょっと訂正。Gambitシステムが使えるようになってから結構印象が変わった。HPが減ったら回復、敵を見つけたら攻撃、というような詳細な行動パターンを、主人公キャラ含めて設定できるこのシステム。ある程度まっとうな設定さえしておけば、プレイヤーが何も操作しなくても勝手に敵を倒してくれる超自堕落システムだということが判明。試しにボス戦でコントローラーを置いて放置してみたら、危なげなく勝ってしまった(笑) Gambitの組み上げだけを信じて、戦闘になったらプレイヤーは操作を行ってはならないという縛りを入れれば、別の次元のゲームとして面白く遊べるかも。プチカルネージハート。 余談。MMORPGのFFXIをやってたときに、パーティー/Partyという単語は和製英語で欧米人には意味が通じないから、Groupと言うべき、という話をよく聞いたんだれども、米国版のDQ8もFFXIIも"Party"を普通に使っているね。これはこれで和製RPG用語として定着するのだろうか。 ※"adventurers party"でググったらいくつか例が見つかるので、まったく使われてないってこともないのかな。 |
FFXII英語版はじめました。
![]() ※注:日本から米国amazonのゲームソフトは買えません。 日本での発売当時、賛否両論あった様子の戦闘システム。実際にプレイしてみた感想は「あ、これSTARWARS: Knights of the Old Republicだわ」でした(笑) 街がむやみに広いのも含めて雰囲気がそっくりだ。それぞれ独自の進化を遂げていったD20システムとFFシステムの行き着く先がよく似た形というのは面白いねえ。 現在、序盤のsunstone入手のとこまで進行。ストーリーはベタっていうか唸るほどのものはまだないですな。敵方の将軍がわりとまっとうなことを演説しているのが印象に残ったぐらい。FFXのときも似たような奴がいなかったっけ。映像は文句の付けようが無いほど綺麗。 FFXといえば、マニュアルがモノクロでちょっと物寂しかったけど、今回は全面カラー印刷。ほんのり豪華気分。なにげにFFXとDQ8とこれを買ってしまっている自分はスクエニUSAの信者か何かか。 Vaanは剣と特技主体、Peneloは槍と白魔法主体に育ててみる予定。チェス板みたいなのを使ったこの成長システム、無茶苦茶できそうで、案外固定パターンにはまりそうな気が。スフィア板よりは自由がきくが、はてさて。 使われている英語はあいかわらず難度高い。高尚な気取った単語多いね。まあDQ8のヤンガスに比べればましだ。奴の方言はキツすぎて半分何言ってるのか理解できんかった。 |
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